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VTR1000SP2乗りのメンテナンス記録

オイル交換&クラッチカバー交換

今回のオイル交換は前回から少し走りすぎた感がある。

 

左右サイドカウルを外してから作業する。

ドレンボルトを外し、大体排出したら以下トルクで締める。ドレンワッシャーは新品へ。

Engine oil drain bolt 29N・m(3.0kgf・m,22lbf・ft)

 

前回のオイル交換で、オイルフィルターをK&Pの再利用可能タイプにしたため、

オイル交換ごとにフィルターも新調できるので気分が良い。

中のフィルターを外してパーツクリーナーで洗浄するだけだ。

Oリングも予備の新品へ交換し、規定トルクで締め付けフィルターの作業も完了。

Engine oil filter cartridge 25N・m(2.6kgf・m,19lbf・ft)

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オイル交換ついでに、以前新品を確保しておいたクラッチカバーに新調することにした。

COVER COMP,CLUTCH

品番:11350-MCF-D60

GASKET,CLUTCH COVER

品番:11356-MCF-000

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現在ついているカバーと比べると、かなり褪色していることが分かった。

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カバーのボルトは規定トルク12N・mで締め付け交換完了。

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最後にオイルを投入して、オイル交換は完了。投入量は3.7〜3.8Lくらいだった。

Oil capacity 3.5L (US3.7 qt,3.1mp qt) after draining

                     3.9L (US4.1 qt,3.4mp qt) after flter change

                     4.3L (US4.5 qt,3.8mp qt) after disassembly

 

今回はいつものシルコリンではなく、リンクアドバンス株式会社様のLINK-OILを使用した。

銘柄はTorque(15W-50)

購入先はABIT-TOOLS様から4Lの小分けが売っているため、販売ページから購入。

メーカーは20Lペール缶のみ販売なので1Lと4Lはここから購入することになる。

(2021/12/5現在URL)

エンジン・MTオイル | ABIT-TOOLS

 

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試走した感じはシルコリンの15w-50より軽く感じるため、冬の使用もイケるだろう。

これから距離を重ねフィーリングを確かめていく。

(今オイル交換をすると、しばらく寒い時期が続くため10W-40のシルコリンも迷ったが値段が2000円ほどUPするので、今回はセールも開催していたLINK-OILを選択した。)

 

またセールのタイミングとオイル交換のタイミングが合えば、LINK-OILも考えよう。

NAG内圧コントロールバルブ&ブローオフバルブの取り付け

久々のカスタム。

今回はNAGの内圧コントロールバルブとブローオフバルブを取り付ける。

昔乗っていた250ccの単気筒マシンにも取り付けていたので懐かしい。

VTR1000SPのNAG取り付け情報量は、当然極小のためここに記載しておこうかと思う。

 

NAG内圧コントロールバルブについては、以下公式ページを参照すると分かる。

(2021/12/4現在URL)

NAG S.E.D.公式サイト | NAGバルブ製品概要

 

・NAG 内圧コントロールバルブSuperbForceR(18mm)

 品番:NAG01-018SFR

 価格:39,600円(税込)

・NAG ブローオフバルブ(差し込みタイプ ※要穴開け16mm)

 品番:NAG03-102

 価格:33,220円(税込)

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●内圧コントロールバルブ SuperbForceR 18φ

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エマルション対策用の負圧チューブは、以下寸法のものが同封されていた。

・長さ50cm/内径4mm/外径6mm

バルブ自体の負圧チューブ取り付け部は5mm

(T字ジョイントは使用しないため未開封

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●ブローオフバルブ(Street&Race対応)

差し込みタイプなので、画像のように4つの部品に別れる形になる。

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それでは、インストール編。

NAGの取り付けにあたって、新品が出るうちにエアクリーナーBOXを新調したので

ブローオフバルブから始めに取り付けていく。

右側リア部分に16mmの穴を開け取り付ける。できるだけ端にしておかないとスロットルボディと干渉するため、画像の位置が無難かと思う。

ここ以外の場所はフレーム等、何かしらの部品に干渉するはず。

 

使用した工具は、14mmメガネとモンキーレンチ。

A/C BOX内のIN側が14mmで、A/C BOX外のOUT部は21mmだった。私は21mmのソケット等が無かったためモンキーで対応。

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ブローオフバルブのインストールが完了したので、次は内圧コントロールバルブに移る。

内圧コントロールバルブは、フロント側のヘッドから出ているブリーザーホースにつなげる形になる。

昔はA/C BOXに取り付けるVTR1000SP1/2専用のラインナップがあったが、もう販売終了しているため、ブリーザーホースに直接割り込ませる形にした。(そのため18mmタイプを選択)

流路としては、E/Gヘッド→ブリーザーホース→NAG→キャッチタンクになる。

適当な場所でカットしてバルブを割り込ませて完了。締め付けには注意が必要で金属バンドは使用禁止となっており、タイラップで固定すること。

取り付けただけではフレームに走行中の振動で叩きつけられるので、スポンジで保護したほうが良い。フレームにスポンジを貼り付けても良いが、私は最終的にホースとバルブをタイラップで包む形で保護した。

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負圧チューブは、スロットルボディのリアに一つ取り出し口に空きがあるので、それを利用する。元のメクラ栓を外し、負圧チューブを取り付けるだけなので比較的簡単。

私のSP2は2002年のオーストラリア仕様なので、他国の仕様は少し取り出し口が変わるかもしれない。

(上画像ではフューエルホースの上から引いているが実際は下から引いた。)

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あとは、A/C BOX等を元に戻して、内圧コントロールバルブ&ブローオフバルブのインストールは完了となる。

 

●インプレッション

70kmほど走行して感じ取れたインプレを書いていく。

始めに総評。

 1.エンブレの激減

 2.ドンツキの軽減

 3.シフトタッチの変化

 4.フロントサス/リアサスの動きの変化

 

1.エンブレの激減

 「エンブレが無くなる」とまでは言わないが「激減」と表現できるだろう。

 内圧コントロールバルブを入れた際のインプレで色々な人が報告しているが確かに感じ取れた。

排気量、トルクでみると確かにそうではある。恐らくビッグシングルやビッグツインが顕著に表れるかと思う。

直4のエンブレ減少効果はそこまで無いようで、直4所有者からはレビューが上がっている。

まず50km/h付近では「そこまでエンブレ減少はないか?」といった感じであったが

 60km/h超えたあたりからかなり効果を感じた。今までのエンブレレベルを10と仮定すると3〜4レベルに減少する。速度が乗ればエンブレはほぼ無くなるのではないかと推察できる。少しスポーツ走行で確かめたが、以前に比べて乗りやすい。姿勢を作りやすくなったのは大きな収穫。しかし、エンブレが減少したのでブレーキに負担が増える。

 今回取り付けたSuperbForceRは、レース使用対応であり、レース用NAGバルブのパフォーマンスを公道に最適化したようなのでこの効果はうなずける。

nag-sed.com

 

2.ドンツキの軽減

 これは「軽減」といった表現が相応しいのではないかと思う。

エンブレ減少ほどの効果はなく、「確かにドンツキが軽減している」と感じ取れるぐらいであった。しかし、以前のドンツキに比べ軽減しているので乗りやすくなり嬉しい。

2002年のECUでまだFI黎明期であったマシンなので、過度の期待は禁物である。

 

3.シフトタッチの変化

 オイル交換も済ませ試乗をしたのだが、これはオイル交換が起因ではないシフトタッチの変化と感じた。

 もちろん良い方向に変化し、単純にギアの入りが軽くなりアップもダウンも入りが軽い。Nから1速へのシフトで「カコンッ」といった具合でかっちりしている音がする。

E/Gの回転についても多少軽くなっていてブリッピング時に感じた。(これはオイル交換の効果か?)

これらは、クランクケース内の内圧コントロールが効いているのかもしれない。

 

4.フロントサス/リアサスの動きの変化

 公式HPでもあがっているが、内圧コントロールバルブをインストールするとサスの動きが変わるとのことだった。フロントはアクセルオフ時の沈み込み減少を体感でき、リアはなんとなく以前より動きが変わった。硬くなった・柔らかくなったといった感覚ではなく「以前よりサスが動いている感覚が分かりやすくなった」という感じだ。また、ブレーキの使用時間も変わったのでサスセッティングはまた行う必要がある。

(フロントの動きについては、エンブレが減少しているので当たり前の動きではある。)

 

以上、稚拙ながらインプレッションを記載させていただいた。

それにしても乗り味がかなり変わったので慣れが必要になった。まだまだ楽しめそうで個人的には嬉しい。

 

 

 

 

クラッチマスターシリンダーのO/H

80kmほど軽く流し、帰宅時にクラッチマスターシリンダーからフルードが少量漏れてきていたため、急遽O/Hを行なった。

幸いまだ油圧はかかる状態だった。

 

交換パーツは以下のもの。

・22886-MAT-E01 PISTON SET

・22885-MB0-006 BUSH

・22884-MAT-E01 PUSH ROD

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まずフルードを抜き、車体から取り外す。

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次にレバーを外し、シールピックアップツールなどでダストカバーを外す。

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ダストカバーを外したところ、結構ひどい状態であった。写真は割愛。

シリンダー側(スナップリング・ダストカバー取り付け部周辺)の腐食や錆が結構あり、次はマスターシリンダーごと交換の必要がありそうだ。おそらく今までO/Hされてこなかったマスターかもしれない。

 

ブッシュの交換もするのだが、ブッシュも削れに削れていた。目視で十分わかるレベルで減っており注文しておいて良かった。

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以下画像の上は旧部品、下が新部品。シールを外して比較をしたが内径が明らかに広がってしまっているのが伺える。

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ここまで分解すれば、あとは組んでいくだけ。

シールの向きは傘の開く方をスプリング側にセットしていることを注視。

スプリング側をマスターシリンダーに入れて、スナップリングを装着する。次にプッシュロッドとダストカバーを装着して完了する。プッシュロッドにはシリコングリスを少量塗布。

後はブッシュとレバーをつけて完成する。

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最後に車体へ取り付け、フルードを入れエア抜きをすれば完了。

バンジョーボルトは以下の締め付けトルク。

Clutch hose oil bolt 34N・m(3.5kgf・m , 25lbf・ft)

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